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関節リウマチの治療総論 第3回

RAの診断には抗CCP抗体

ミニ医学講座関節リウマチの診療においてはいろいろな検査が行われます。
診断と活動性の評価に用いる血清マーカーにはリウマチ因子(RF、RAPA、RAHA)、抗シトルリン化蛋白抗体(抗CCP抗体)、マトリックスメタロプロテアーゼ-3(MMP-3)、赤沈値、CRPなどがあります。
リウマチ因子は関節リウマチの患者さんの大部分(70から80%)で陽性となりますが、関節リウマチであれば100%陽性となるわけではなく、患者さんの20から30%の方はずっとリウマチ因子陰性のままです。
また、リウマチ因子は関節リウマチ以外の膠原病や肝炎・エイズなどのウイルス感染症などいろいろな病気で陽性となります。健康な人でも5%程度が陽性で、60歳以上では陽性率はもっと高くなります。

すなわち、「リウマチ因子陽性=関節リウマチ」「リウマチ因子陰性=関節リウマチではない」ということはいえません。リウマチ因子は関節リウマチの診断の目安のひとつにすぎません。

昨年から保険適用となった抗CCP抗体は、診断においてより有用性が高い検査といえます。抗CCP抗体はまだリウマチ因子が陽性とならないような早期の軽症の関節リウマチにおいても陽性となります。そして、リウマチ以外の疾患で陽性となることはあまりありません。
したがって抗CCP抗体は関節リウマチの確定診断にすぐれているといえます。保険で検査できるのは基本的に診断時のみと制限されています。

一方、MMP-3は関節リウマチ以外の膠原病においても上昇することが多く、診断には適しませんが、RAの活動性指標に有用です。関節の炎症や関節破壊のマーカーであり、治療効果判定に役立ちます。

CRP、赤沈は炎症のマーカーですので、やはり関節リウマチの活動性指標に有用ですが、リウマチ以外の炎症でも上昇しますので、MMP-3を併せ測定することでより的確な判断を下すことができます。